海上気象(青木ヨットスクール・BCCコース以上の教材)

天気図の見方風の成因風と風力階級雲とその意味高気圧低気圧台風前線の見分け方霧と雷

参考文献 「NHK 最新気象用語ハンドブック」日本放送協会編/日本放送出版協会

霧と雷

【霧】  地表付近で水蒸気が凝結し、無数の小さな水滴となって宙に浮かんでいるもので、視程が 1km以下のもの。 水滴が大きくなって、空中に浮かんでいられなくなったものが「雨」です。 視程が 1km以上の場合は「靄(もや)」と呼んでいます。 霧が発生する仕組みは雨と同じです。重力によって落下するかどうかの違いだけです。

放射霧
よく晴れた風の弱い夜は地表面が赤外放射により良く冷え、それに接した空気の温度も下がり、霧が発生する。冷気は密度が大きく盆地にたまりやすい為、盆地でよく発生する。
それでは曇り空の風の強い夜は何故発生しにくいのか?
地球は黒体(よく吸収し、その分だけ放射する)なので、日中晴れた太陽から十分吸収すると、その分だけ夜間放射する。また雲があると逆に雲から放射を受けてしまうのである。風が強いと、地上付近の冷たい空気とその上の冷えていない空気が混合してしまう為、気温の下がり方は小さくなる。
移流霧
暖かい空気が温度の低い地表面(海面)上に移動し冷やされてできる霧。
北海道付近で発生する冷たい親潮の上で冷やされてできる海霧など。
蒸気霧
水蒸気を多く含んだ暖かい空気がまわりの冷たい空気と混合し飽和に達した場合。
冬場の吐息が白い、温泉の白い湯けむりなどが該当する。
実際は空気がそれよりずっと高温の水面に接する時に発生。
前線霧
温暖前線で長時間降雨があり、空気の相対湿度が増したところに上空の暖気から、比較的高温の雨粒が落下してくると霧が発生する。
上昇霧
山腹に沿って空気が上昇すると断熱膨張の為、空気の温度は下がり霧が発生する。

【雷】 雲の内部や雲と地表の間に発生する放電現象。雷
日中に強い日差しを受けて地表付近の空気が暖められ、暖められて軽くなった空気が上昇を始めます。上昇するに連れて断熱膨張するので、温度が低下し、雲が発生します。
更に、雲が発達すると水蒸気が氷の粒(氷晶)になり、上昇しながら激しく衝突し合い、プラスに帯電します。一方、成長して上昇できなかった氷晶は霰[あられ】となり、マイナスに帯電します。
こうして、積乱雲内の上方にプラス、下方にマイナスの電気が集まり、この電圧差が大きくなると、空中に放電するようになります。これが熱雷(ねつらい)です。
それ以外に、温かい大気の上に冷たい大気が覆い被さるような状態(天気予報などでは「大気の状態が不安定」と表現します)の時にも雷は発生します。これを界雷(かいらい)と呼びます。
更に、以上の二つの原因が重なって発生する雷を、熱界雷(ねつかいらい)と呼んでいます。
プラスに帯電した地表と、マイナスに帯電した雲底の間での放電現象は、特に落雷と呼びます。
この時、おおよそ電圧は約10億ボルト,電流は数万アンペア、電力は100万メガワットにもなるといわれます