慈眼院・坐禅会2010年テーマ、発表スケジュール

  • 2010年のテーマは白隠禅師の著作といわれる坐禅和賛をとりあげる。
  • なお坐禅和賛を討議する参考書として、柳田聖山著「禅と日本文化」を使用している。
  • 以下がその本文であるが、白隠禅師の著作かどうかについては、研究者による異論が提起されている。
    ここではひとまず、坐禅和賛として流布されている以下の内容について、テーマとして取り上げていくことにする。

(4/3)小河
衆生本来仏にて     水と氷の如くなり
水を離れて氷なく    衆生の外に仏なし

(5/22)片桐
衆生近きを知らずして  遠く求むるはかなさよ
譬えば水の中に居て   渇と叫ぶが如くなり
長者の家に子となりて  貧里に迷うに異ならず

(6/5)(井内)
六趣輪廻の因縁は    己が愚痴の闇路なり
闇路に闇路を踏みそえて いつか生死を離るべき

7月10日(松田)
夫れ摩訶衍の禅定は   称嘆するに余りあり
布施や持戒の諸波羅蜜  念仏懺悔修行等
その品多き諸善行    皆この中に帰するなり

8月21日(花本)
一坐の功を成す人も   積みし無量の罪ほろぶ
悪趣何処にありぬべき  浄土即ち遠からず

9月4日(宮本)
辱くもこの法を     一たび耳に触るるとき
讃嘆随喜する人は    福を得ること限りなし

10月9日(長野)
況や自ら廻向して    直に自性を証すれば
自性即ち無性にて    已に戯論(けろん)を離れたり

11月6日(吉田)
因果一如の門ひらけ   無二無三の道直し
無相の相を相として   往くも帰るも余所ならず

12月4日(柴田)
無念の念を念として   歌うも舞うも法の声
三昧無礙の空ひろく   四智円明の月さえん

1月15日(青木)
この時何をか求むべき  寂滅現前する故に
当処即ち蓮華国     この身即ち仏なり

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