フジコ・ヘミングを聴く

きのうは仕事を早退して、西宮の兵庫県立芸術文化センターへ行く。開演にようやく間に合った。ホールはすでに満席だ。フジコ・ヘミングのコンサートは、初めてだ。

モーツァルト、ベートーベン、バッハ、リストと続く。オーケストラの曲間を待つ後ろ姿は、身じろぎ一つしない。ピアノの前で坐禅をしているかのようだ。そしてソロで弾いた最後のラ・カンパネラに、圧倒される。息が詰まってしまい、涙が止まらない。ステージへ登場した時は足取り重い81歳の人だった。その人が演奏しているとは、とても思えない迫力だ。演奏が終わっても、身動きできない、立つのも、ブラボーも忘れてしまった。
今日はフジコ・ヘミングのおかげで、勇気をもらった。

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