白隠禅師坐禅和賛H. 22. 09. 04 宮本 實

白隠禅師坐禅和賛

辱なくも此の法を 一たび耳にふるる時
讃歎随喜する人は 福を得る事限りなし
況や自ら回向して 直に自性を証ずれば
自性即ち無性にて 既に戯論を離れたり

回向 : 自分の修めた善行や功徳をすべての人々のために振り向けること
自性 : そのものが本来備えている真の性質、本性
無性 : 無自性の略、空、実体のないこと

有難い事に、この法(おしえ)を 一度でも耳にする時
深く信じ讃え喜ぶ人は 必ず幸福を手に入れるでしょう
ましてや自ら修行し省みて 自分の心の正体を知るなら
それは無自性・空なので もう、既に無意味な論理を離れている

◎白隠禅師の健康法 :寝禅による内観法

 仰臥禅 : 仰向けの姿勢で地球の重力に身体を委ねた姿勢
 放下着 : 心中のモヤモヤ雑念をすべて吐き出し心をからっぽにする
 数息観 : 呼吸数を数えながら丹田呼吸を行う
          ①全身の力を抜く
          ②フ一ッと身体中の息をすべて口から吐き出す
          ③鼻孔から静かにゆっくり下腹部に大気を満たす気持ちで吸い込む
            このとき「ひとーつ」「ふたーつ」「‥‥‥」と心の中で数える
            大気が肺に満ち横隔膜が下がり癖下丹田の充実感が得られる
            米吸気の所要時間は]o秒(初心者は5秒)
          ④充分に大気を吸入したらl~2秒息を止めて呼気の準備をする
          ⑤呼気も吸気と同様に数える
            横隔膜は上がり下腹部は凹む
            米呼気の所要時間は30秒(初心者は10秒)
  内 観 : 身体全体の気が下腹部、腰、下肢,足の裏まで満ち渡り、手足から
           身体全体が温かくなり、何とも言えぬいい気持ちと充実感を感じる

(軟酥の法) 内観法と同じく、自己暗示により潜在意識を変えさせる精神療法
           卵ぐらいの大きさの軟蛛を頭上に乗せたとイメージする
                        (酥:牛乳を煮詰めたものバター)・・・「飛鳥の酥」
           これが頭全体を潤し、ヒタヒタと浸透するように下りて来て、両肩、
           両上肢、胸、肺・腸・胃・背骨・尾骨、さらに両下肢を温かく潤し、
           足裏まで達して止まると観想する

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