日本アドベンチャー・サイクリストクラブ

10月11日に大阪で開催された日本アドベンチャー・サイクリストクラブ(JACC)30周年記念セレモニーに参加した。
JACCを創設し、アドベンチャー・サイクリストを輩出させてきたのは、現代表を務めている池本元光さんの力が大きい。
池本さんは1968年から4年4ヶ月の歳月をかけて世界5大陸47カ国を走破。日本人として初の自転車世界一周記録を打ち立てた。世界一周に使用した自転車「タルーゼ号」は財団法人自転車センター(関西サイクルスポーツセンター)に永久保存されている。

池本さん自身はその後、自分で冒険的な旅はしておられないようだ。しかしJACCの活動を通じて、サポートしてきたアドベンチャーは数多い。舟津圭三さん、故河野兵市さん、中西大輔さん、エミコ・シールさんなど、著名な後輩たちが続出している。
単なる自転車アドベンチャーと片付けられるかもしれない。しかし彼らの行動は、日本の大きな宝であるといえよう。民間外交としても、勇気を与えるアドベンチャーとしても、元気が失せた日本には希望であり、かけがえのない存在ではないだろうか。

ヨットと自転車という対照的な世界の池本さんと出会ったのは、藤木高嶺先生のご紹介だった。藤木先生は、登山家、探検家、ジャーナリストとしてその業績はよく知られている。
表に出ている先生の行動とともに感銘を受けるのは、アドベンチャーへの暖かな支援である。常に希望と失望の間にさいなまれる冒険者にとって、先生の激励と存在は大きな支えとなる。私もその一人であった。ご自分の立場を活用した、心温まる配慮を今も継続しておられるのには、全く頭が下がる。

 

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